ココの薬局カフェ 

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アンサングシンデレラ ドラマ化の話

 

 

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2020年4月からのスタートでしたが、コロナの影響で現在はグットドクター再放送中です

こんにちは ココです。

私が大好きなテレビドラマは、「科捜研の女」や「相棒」など。

その職務を実直に全うする人たちに胸が熱くなります。

ドラマから知る仕事内容や組織図、その中で苦悩する人たちを見ながら、同時にベールに包まれた仕事内容を知ることができるのが魅力ですよね。

 

今まで薬剤師が主役のドラマってなかったんですよね。これがあれば薬剤師のことがよくわかるのにってずっと思っていました。

今年、アンサングシンデレラ という、病院薬剤師の話がドラマ化されたので

お伝えしようと思います。

 

アンサングシンデレラ

 

第一話

石原さとみ扮する病院薬剤師の葵 みどりは萬津総合病院薬剤部に勤務する薬剤師。救急センターで蜂に刺されて搬送された患者への医師の投薬を薬剤部副部長の瀬野章吾(田中圭)とサポートしていた。そこに、薬剤部部長の販田聡子(真矢ミキ)が新人の相原くるみ(西野七瀬)を連れて来た。心肺停止に陥った患者が心臓マッサージを受ける中、みどりは患者が日常服用している薬に気づく。それを医師に報告したことで、患者の心拍は回復。薬剤師が患者を救ったと、くるみは感動。しかし、患者の家族たちは、医師にしか感謝をしない。くるみに疑問をぶつけられたみどりは、「感謝されたいなら薬剤師は向いてない」と答える。

 

 

 

薬剤師は縁の下の力持ち、アンサングの由来です。

あまり目立たない存在ですが、医師の処方の裏で薬を通して患者さんのことを支えています。

薬を作る、渡すだけに思えた薬剤師の見方が変わるはずです。

薬剤師っていらなくない?

第一話の主人公「葵みどり」が発する言葉。

これ、私が薬科大生だった時に素直に思ったことでした。

病院にかかって調剤薬局で薬をもらう、副作用で困っていて相談したけど

先生に聞いてくださいって、言われたんですよね・・・

薬剤師になったら、絶対にこんなこと言いたくないし、なんで言うんだろう?って疑問に思っていたんですよね。

物語の中心は疑義照会

「疑義照会」って、なに?って感じですよね。

お医者さんが患者さんを診察し、必要だと思うお薬を出す時、処方箋を書きます。

その処方箋を見て薬剤師がお薬を集めて患者さんに渡す、というところは皆さんご存知だと思います。

ただ、そのお医者さんの処方箋、本当にこの薬はこの量でいいのか確認をしているのが薬剤師です。

お子さんの薬といえば、体重や年齢から薬の量が変わりますがその処方の量は合っているのか?

そもそも副作用があって使えない薬が出てはいないか?

ほかの病院でもらっている薬、サプリメントとの飲み合わせはどうか?

抗がん剤で言えば身長体重年齢で体表面積というものを求めそこから薬の量を割り出します。腎機能肝機能心臓病などがあれば、お薬を減らしたりまたはその薬が使えなかったりすることもあります。

またお医者さんも人間です。

コレステロールの治療の人だったのに糖尿病の薬が出ていた、薬の単位を間違えたことで10倍量になってしまっているなどなど

こういったお医者さんのヒューマンエラーを薬剤師がもう一度専門家の目で確認をしています。

そして必要があれば、先生にもう一度確認をして、その疑問が晴れてからでないと

お薬を渡してはいけない法律になっています。

つまり、処方箋の薬が正しいかどうかの最終確認をし、間違っているという疑いがあれば医師に聞いた後でないと薬を作ることができないため、医師に確認をすること、これが疑義照会です。

薬剤師法第24条 疑義照会

薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを 交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点 を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」

 

  薬剤師は処方箋で出された薬が正しいかどうか判断する最後の砦なのです。

そもそも病院薬剤師ってなに?

薬剤師の就職の場は広く、ドラックストア、調剤薬局、病院、製薬会社、薬の卸、麻薬取締官、大学教授などなど

 その中でも調剤薬局と病院は患者さんに直結した仕事です。

 調剤薬局では薬剤師は保険薬剤師として登録され、皆さんが手元に持っている国民健康保険や社会保険後期高齢者の保険など一般的に広く知られている保険制度のもとでお薬を渡しています。

調剤薬局での仕事は、

・処方箋に基づきお薬をお渡しすること、

・処方箋に基づき、患者さんのお宅に伺ってお薬をお渡しすること

 私が働いた感じから言うと、患者さんの生活に密着し、お薬について生活を通して関わっていけるとことにややりがいを感じています。

例えば眠剤の処方がなくなったご高齢の男性の方。眠れるようになったのかな?と思っていたのですが聞いてみれば犬が高齢で夜中に起こされるから眠剤を飲んでると起きれなくなるのが心配で。

その後ワンちゃんは天国へ行ってしまったのですが、そのまま眠剤は飲まずに

済んでいます。 

一見、ほかの職種とのかかわりがないように見えますが、実際は医師、訪問看護、ケアマネージャー、施設の職員、ヘルパー、家族、などなど、地域で多岐にわたる方との連携があります。

 

一方病院薬剤師は、病院薬剤師の仕事で直接金銭のやりとりはなく、病院の中でかかったお金の一部として清算されます。

なので私が病院薬剤師時代は直接お金をもらうことがなく、コスト意識が薄かったのを覚えています。 

病院での主な仕事は、

・処方箋に基づく薬の調剤、受け渡し

・ 注射や点滴の調剤

・無菌室での輸液の調剤

・治験

・病棟に行って患者さんに薬を説明する、看護師や医師などと薬の相談をする

 などなど

ちなみに夜勤があるところもあります。 

病院では調剤薬局でやっているいろんな職種の方との地域での連携が一つの建物で行われている感じです。

私が感じた薬剤師への疑問

話は戻りますが・・・

薬剤師をやり始めてみて、私がかかった薬局の薬剤師が助けてくれなかった気持ちがわかりました。

 

ー医師の処方せんがすべて

 

そう自分で決めてしまった瞬間に、薬剤師はただの薬を作るマシーンと化して

しまうことがあります。

患者さんからの質問に何もしなくてもだれからも何のクレームもありません。

そうなってしまう理由はたくさんあります。

疑義照会をしても余計なことを言うな、とか、こちらの言うことを聞いていればいいなどの言葉を幾度となくあびると、疑義照会をする気持ちが萎えてしまう。

一生懸命準備をしているところ、患者さんから いつまで待たせるの?いい加減にして

などの言葉を聞くたびに自分のしていることがこれでいいのかと疑問に思ってしまう。

でも、それで引き下がってはだれが最後の砦になるのでしょう。

最後の砦になる覚悟をもって薬剤師になったはずです。

医師に自分たちの仕事を理解してもらい、患者さんの不利益になることを回避する、

患者さんには待っていただく意味を説明し、必要があれば自宅で待っていただく

など、自分たちができることをしていくことで自分たちの仕事の意味が理解されていくことなのではないか、と常々思っています。

ちょっと熱くなってしまいましたが・・・

原作を読み、葵みどりもそんな私の仲間に思え、患者さんのために熱い気持ちで取り組む姿にちょっと涙が出ました。

ドラマにも期待しています。


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